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〈CUSTOMIZE(カスタマイズ)〉 資金調達と資金繰りに欠かせない明瞭会計とは? 01.ゲストー顧問税理士・会計士 寺尾潔ー

I&R総合会計事務所
東京都新宿区/会計事務所/社員数

オフィスコンシェルジュ代表取締役・小松延顕が、建設業に特化した知る人ぞ知るお役立ち情報を、各界の有識者に尋ねお送りする連載企画〈CUSTOMIZE(カスタマイズ)〉。
第1回目は、会社を運営する上で皆様が最も興味をもたれているだろう資金繰りと資金調達について、数々の優良企業の顧問を勤めているI&R総合会計事務所の代表公認会計士・税理士である寺尾先生をお迎えして、小松延顕をインタビュアーとし、お話を聞き、動画と記事2本立てでお送りします。

「有識者の方々が、提供くださる情報をもとに、各企業様にとって最善の業務統合システムを目指すための〈カスタマイズ〉をご依頼いただくきっかけとなればと思っております。そして〈建設バレーナ〉をより効果的にお使いいただき、皆様の幸せに少しでも繋がれば幸いです。」(小松)

税理士という専門家の視点から捉えた
資金調達/資金繰りのための明瞭会計の重要性

寺尾先生は、弊社の顧問会計士・税理士も勤めていただいております。手続きや計算の処理を決算のために行うだけの従来の税理士先生とは異なり、我々の悩みに積極的に寄り添っていただいております。例えば、直近ですと、東京都と国で、それぞれコロナ支援金制度が利用できたのですが、それを我々が依頼せずとも情報を提供くださり申請までスムーズにサポートしていただき、無事に制度を利用することができたという事例など、本当にお世話になっている税理士先生であります。
そんな寺尾先生と常日頃お話をさせていただくなかで、我々が、特に勉強させていただいているのが、税理士先生という専門家の視点から捉えた〈資金調達/資金繰りのための、明瞭会計の重要性〉についてです。こちらのお話は、皆様にも役立つ情報だと確信しておりますので〈CUSTOMIZE(カスタマイズ)〉第1回目のゲストとしてお呼びさせていただき、〈資金調達/資金繰りのための、明瞭会計の重要性〉についてお話をお聞かせいただこうと思っております。(小松)

〈正確な会計管理〉こそが
優良な受注案件の増加/会社の存続/銀行融資/を可能にする

早速ですが、まず、資金調達のひとつである〈受注件数を増やすために、なぜ明瞭会計である必要があるのか〉について教えてください。(小松)

寺尾先生弊社は、建設業をはじめ約900社ほどの中小企業、大手上場企業の顧問を務めさせていただいています。そのなかで、当然ですが、どの企業様にとっても、受注件数を増やすことは、とても重要なことです。ただし、採算の取れない案件は取る必要がなく、しっかりとした利益が担保できる受注だけを、いかに増やしていくかが重要になってきます。それを判断するために、会社の会計状態を〈正確に〉把握することが鍵となります。過去の工事の正確な情報を把握していることこそ、受注すべき、あるいは受注してはならない案件を精査する指針となります。
さらに、最終的に受注に至る際、見積書を提出しているかと思いますが、この見積書の金額こそが、受注の決め手になると言っても過言ではありません。相手の企業にとって高額すぎず、尚且つご自身の会社の利益をしっかりと確保したものとして、見積書を提出できるか。つまり、適切な見積能力/積算能力が受注を決定付ける重要な要素になってくるかと思います。そのためには、過去の案件をもとに、適切な金額を導き出すしかありません。我々会計の専門家の観点からは、優良な案件の受注だけを増やすために〈正確なコスト管理〉ができていることこそ、非常に大切なことだと考えています。

原価管理ができていない、つまり明瞭会計が実現できていない際のデメリットとは、優良な受注件数を増やすこと以外でもありますか?(小松)

寺尾先生〈正確なコスト管理〉ができていない、明瞭会計でないと、同様に、資金の流れも正確に把握できません。つまり〈資金繰れない〉ということです。会社の存続には、キャッシュフローの問題が最も重要ですので、その点においても大きなデメリットとなります。

具体的にはどういうことでしょうか?(小松)

寺尾先生例えば、資金繰りのひとつの手段である、金融機関に融資を申し込む際、金融機関が、1番把握したいのが〈資金繰りをきちっと把握できているか〉ということです。会社さんが属する業態が今後どうなっていくのか、経営者様のお人柄がどうなのか、あるいは決算書からみた経営状態がどうか、なども、もちろん大事な要素になります。

資金繰りの中身もそうですが、そもそも管理ができているのか、を融資担当者様は気にされるのですね。では、銀行融資においての明瞭会計とは何か?について、より詳しく教えてください。(小松)

寺尾先生まずひとつめは、タイムリーであることです。融資担当者に相談に乗っていただく際、直前の1ヶ月前までを正確に把握していることが理想です。つまり会社の経理処理が進み財務内容がどういう状態か判断できる会計処理、つまり試算表が、1ヶ月前分までできていることが、タイムリーに把握できているということを指します。試算表が3、4ヶ月前までしかできていないと、会社の状況を〈正確に〉把握していないと判断されてしまいます。
次に、銀行の窓口と話す経営者様や経理部長さんが、この1ヶ月前までの試算表をしっかりと説明でき、尚且つ、数字だけでなく、その裏側にある会社の実態をしっかりと説明できるかが重要になってきます。
最後に、その正確な過去の日々の管理、つまり試算表の数字を加味した上で、半年先、1年先、会社がどういう資金繰りになりうるか、限りなく正確性を持った資金繰り予測を会社が持っているのか、が大事になってきます。

なるほど。銀行融資担当者はそのようなところを見るのですね。ちなみに、建設業の会社様が資金繰りのために融資を活用するには、どのようなケースが多いのですか?(小松)

寺尾先生入金と出金のギャップが発生し、金融機関から融資という形で調達せざるを得ないケースが一般的です。建設業は多くの場合、工事が最終的に完了しないと売上金が入ってきません。一方で、人工や材料費など、かかる経費は全て持ち出さなければなりません。受注は嬉しいことで、将来の利益に繋がるのですが、資金繰りという観点でいうと、常に先払いしていかなければならない。つまり、お金の入りと出のギャップが、どうしても発生してしまうので、その際、金融機関の融資に頼るケースが多いかと思います。

どっかのタイミングで、1度だけ金融機関と取引をするのではなく、企業の成長に合わせて常にお付き合いが続くということですね。(小松)

寺尾先生おっしゃる通りで、建設業に関していうと、成長すればするほど、受ける工事が増えれば増えるほど、あるいは受注する金額が大きくなればなるほど、このギャップが大きくなっていきます。したがって、常に金融機関と良好な関係を築き、先を見越した資金繰り予測の中で、資金調達に動いていただかないと、会社は最終的に資金が止まってしまい継続できないということになります。

常に金融機関とお取引をしていく以上、明瞭会計の状態を保ち続けないと融資を継続的に受けれず存続できなくなってしまうのですね。ちなみに、会社の会計状態を正確に把握されていない企業様というのは、多いのでしょうか?(小松)

寺尾先生我々の観点で見ると、中小企業では、おそらく2割、3割しかできていなく、多くの企業さんが、その場その場、言い方は悪いですが、どんぶり勘定になっているのが現状です。実際に、工事番号/プロジェクト番号ごとに原価管理ができているか否かは、税務調査の調査対象項目ですが、一般的に中小企業はできていないので、税務署さえも免除しているほどです。


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明瞭会計に必要な4つの条件を持ったシステムの導入こそ
資金繰り/資金調達を確実に実現させる

会社様にとって、有益な受注案件を増やし、資金調達/資金繰りをしていくうえで、常に明瞭会計であることがいかに重要か、よくわかりました。次に、寺尾先生が提示してくれた正確な明瞭会計を常に保つために、我々が皆様に何ができるのか、理想のシステムについてお聞かせください。(小松)

寺尾先生手入力や一般的なエクセルを用いることも可能ですが、やはり会計システムを導入された方が、圧倒的に〈正確〉に〈スピーディー〉に現状を把握しやすいことは明白です。
そこで、どんなシステムが必要かというと、まず、総務や経理担当者が貸方借方など簿記を利用し仕分けし試算表を作る前段階にあたるのですが、工事番号/プロジェクト番号ごとに、コスト管理が集計できる機能が備わっていることが挙げられます。
次に、工事番号/プロジェクト番号ごとに間接費の配布が可能なシステムであることが挙げられます。経営者の方々は皆さん優秀なので、その現場でかかる材料費やその現場のみお願いした職人さんの外注費など、直接的に見えるコスト、直接原価については、把握されているケースがほとんどです。しかし、企業は個々の工事だけで成り立っているわけではありません。それを支える管理部門の人材費や本社の家賃など、間接コストもかかっています。この間接費も、工事番号/プロジェクト番号ごとに配布ができるシステムが望ましいです。ひとつの工事に対して、直接原価、間接費を含めた〈真実のコスト〉がわかる機能が備わったシステムが重要だと考えます。
3つめとして、訴求変更ができないシステムであること。1、2ヶ月前までは許容範囲ですが、それ以上前まで遡って、工事番号/プロジェクトごとの数字が調整できてしまうと、正確なコスト管理ができているとはいえません。これは税務調査でも指摘される部分です。仮に調整できたとしても、必要な制限をかけることができたり、変更したことのログが残るシステムを導入する必要があります。
4つめとして、運用の継続性、容易性がしっかりと担保されているシステムであることです。システムとは、会社の成長や、資金調達という最終的な目的のために、必要な〈手段〉であります。手段は使えないと意味がないので、運用に関する継続性、容易性が担保されているシステムでなければなりません。もちろん、システムを提供してくれる会社が、どこまでサポートしてくれるのかも、ひとつの判断基準になると思います。

それら4つの要件が満たされているシステムを導入されている会社さんは、どれくらいあるのですか?(小松)

寺尾先生そこまでの理想的なシステムを導入されていて、しっかりと運用されているケースは1割くらいかと思います。

非常に少ないですね。企業の経営をサポートする寺尾先生の立場からすると、そういった要件を満たしていることにこしたことはないということですね。それでは、システムの導入時期についてですが、どのようなタイミングがベストといえるのでしょうか?(小松)

寺尾先生早ければ早いにこしたことはないのですが、事業の内容と照らしあわせ、どういう業務フローで、そこに関わる担当者が誰なのか、そこに、どういうルールを作るのか、といった会社の方針が定まった時期が1番良いタイミングかと思います。会社のルールが確立され、ではそれを実行する際に、手作業、一般的なエクセル、そして、理想のシステム、このどれを選択するのかといったタイミングが適切だと思います。
逆に、うちは業務フローがよくわからない、色々なトラブルも起きてしまっていて整理したいというタイミングでシステムを導入するのもありかと思います。つまり、導入したシステムに会社の業務フローをあわせていくことで固めていくというのもひとつの判断時期かと思います。

なるほど。結論から申しますと、今寺尾先生が挙げてくださった4つの要件は、建設バレーナであれば全て実行することができます。しかし、それには「カスタマイズ」が必要になってくるものもあります。資金調達/資金繰りをより確実にスムーズにおこなうために、寺尾先生が挙げてくださった4つの要件を満たしたいと思ってくださった会社様がございましたら、我々に〈カスタマイズ〉のご依頼をお申し付けいただければと思います。この4つの要件を満たしたいがどうカスタマイズすれば分からない場合でも、そこから我々がサポートさせていただきますので、気軽にご連絡をいただければと思います。(小松)

寺尾潔(I&R総合会計事務所の代表公認会計士・税理士)
創業から20年以上、新宿御苑を拠点に、約900社近い中小企業、大手上場企業の顧問を務めるI&R総合会計事務所の代表公認会計士・税理士。従来の手続きや計算だけをおこなう税理士の枠組みに捉われず、「ドラえもん」のようにお客様のご要望になんでも答え、多くの企業、中小企業の貢献ができるということを自身の幸せとするといった理念を掲げ活動する。

導入企業様DATA
  • 会社名I&R総合会計事務所
  • 代表取締役寺尾潔
  • 住所東京都新宿区新宿2-3-10 新宿御苑ビル9階
  • 業種会計事務所
  • 会社規模
  • URLhttps://ir-sogo.com/